【活動報告】Doctor’s Cafe #33 Academia Across Japan, the U.S., and China 「日本、アメリカ、中国で見たアカデミアの在り方」
- 活動報告Doctor’sCafe
- 2025.12.15

【活動報告】第33回 Doctor’s Cafe “Academia Across Japan, the U.S., and China” 「日本、アメリカ、中国で見たアカデミアの在り方」
【日時】2025年12月5日(月)16:15~18:00
【場所】東京農工大学 府中キャンパス 連合農学研究科 管理研究棟 4階 第2会議室
【言語】英語
【プログラム】 オープニング/トークセッション/ Q&A/ ネットワーキング
【参加者】 学生62名(内、FL-SPRING生49名、FL-BOOST生1名)、教職員7名、合計69名
【内容】
今回のDoctor’s Cafeでは、上海・復旦大学の服部素之教授をお迎えし、トークセッションを行いました。服部先生は、創薬標的であるイオンチャンネルと呼ばれるタンパク質の立体構造解析および、その知見を創薬へと還元する研究に取り組まれており、日本およびアメリカでの研究経験を経て、2015年より中国に拠点を移し、研究活動を行っておられます。本セッションでは、そうしたご経験を踏まえ、特に日本と中国における研究環境の共通点と相違点、ならびにこの10年で急速に存在感を高めてきた中国の研究現場の実情について紹介いただきました。また、博士人材が国際的に活躍するために重要な視点についてもお話しいただきました。
質疑応答では、学生から活発的な質問が寄せられ、服部先生からはキャリア形成に関する実践的な助言がありました。キャリアについて過度に深刻に考えすぎず、視野を広く持つこと、海外でのポスドック経験や産業界を含めた多様な進路を検討しながら、自身に合った研究環境やスタイルを探していくことの重要性が語られました。ネットワーキングセッションでは、学生たちと直接、より具体的な意見交換を行う機会も設けられました。
セッション終了後には、学生から研究内容に直接結びつく感想も寄せられました。ある学生からは「アミノ酸置換によって感受性が変わるのが大変面白かった。自身は植物の高温ストレス下みおける品種間の感受性の違いを研究しており、今回の講義内容を今後の研究内容に活かしたい」との声がありました。また別の学生からは「ポスドクなどでの研究室の選びについて、研究方法(methods)とテーマ(subjects)の両方を同時に大きく変えるとリスクが高まる一方、どちらか一方を変えることは、スキルアップや研究の幅の拡大につながる、というお話が印象に残った」とのフィードバックもありました。
本セッションは、最先端の研究内容と国際的なキャリア形成に関する具体的な示唆の双方を提供する機会となり、参加した学生にとって大変有意義な時間となりました。

