未来価値創造研究教育特区

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特区長挨拶

尖端研究による未来価値創造

東京農工大学では、学術研究に限らない幅広い分野における社会活動を先導できる優れた人材の輩出に向け活動を推進しています。これまでに実施した「キャリアパス支援センター事業」、「アグロイノベーション高度人材養成センター事業」の理念を継承し、高度な専門性を持った博士学生・取得者が食糧、水資源、環境、人口、感染症対策など、21世紀の諸問題にかかわる技術革新、産業創出、社会政策提言ができる人材の育成を目標に、2010年4月より東京農工大学に「イノベーション推進機構」が設置されました。そこから10年を経て、発展的改組により、2021年4月に次世代の高度イノベーションリーダーの育成を目指して「未来価値創造研究教育特区」となりました。

「未来価値創造研究教育特区」では研究力強化とアントレプレナーの両輪による次世代研究人材育成を行っています。アントレプレナーシップは「起業化精神」とも翻訳されますが、ビジネス領域に限定される言葉ではなく、「新しい価値創造のために、困難を克服しながら、挑戦する姿勢や能力」を意味します。東京農工大学では、尖端研究を基盤とした新しい価値創造を目指しております。

研究を「未来価値創造」に結びつけるためには、社会や学術分野における自らの研究の立ち位置をとらえ、そこから目標に到達するための段階を設定することが重要と考えます。この設定は、自らの研究に関連する情報の綿密な調査に基づいて行われます。これまで解決が困難であった問題を突破するための独創的な手法も必要となってきます。困難を突破するための手法は、異なる分野に目を向けることにより発想を得られることもあります。また他分野の研究者と協創することにより、一人では解決できなかった課題を乗り越えられることもあります。基礎研究であれば、新たな学術分野の創成をもたらし、それが未来の社会課題解決に繋がる可能性も出てきます。

このためには、分野が異なる人々や社会に対して自分の研究の価値を伝える能力が必要となります。また研究を社会に繋げる際には、自らの研究によってどのような課題を解決できるかを、社会にアピールする能力も重要となってきます。理解し、共感してくれる仲間ができれば、目標に向かって大きく前進することができます。

本特区では、学生に経済的支援を行うことで研究に集中できる環境を整えると共に、研究室や、時には大学の壁を越えた活動を通して、上記のような自らの先端研究を未来価値創造につなげる能力を学生が獲得できることを目指しています。東京農工大学には農学と工学および関連分野における研究の基盤があり、横断的な視野を持つことが可能です。また海外留学を推進することにより国際的に活躍するための能力、女性未来育成機構と連携することにより、国際社会で活躍する能力、多様な人々と協働する能力の養成も行います。さらにディープテック産業開発機構との連携により、本特区で身に着けた尖端研究力およびアントレプレナーシップを、社会実装するしくみも整えております。

「未来価値創造研究教育特区」は、学生がこれから大いに活躍する機会を創出するために、自らの能力を広げ、発揮し、探求し、学ぶという動機付けを明確化できるようにすると共に、教職員や社会も一体となった新しい教育プログラムの開発、実践を積極的に推進したいと考えています。当然のことながらイノベーションの実現を推進することは、大学を越えた取り組みになります。大学内外の多くの皆様のご理解、ご支援をいただきながら目標を達成したいと思いますので、是非ともご協力をお願い申し上げます。

未来価値創造研究教育特区長 大津 直子

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